日本一嫌われた男が90分でかわいくなった ヒカルのトーク術が怖い
「日本で一番嫌われている」とまで言われた溝口勇児。
そのモンスター扱いされた男が、ヒカルとの対談を経て、なぜか視聴者から「ちょっとかわいい」「憎めない」と言われるようになりました。
手のひら返しが起きたわけですが、これは偶然ではありません。
炎上している人間を招き入れ、いつの間にか好感度ごと立て直してしまう。
ヒカルはいわば炎上の消防士です。
この記事では、溝口の印象を反転させたヒカルのトーク術を、実際のやり取りから分解します。
前提 溝口はどれだけ嫌われていたか
まず状況の確認です。
溝口勇児はYouTube番組での発言をきっかけに大炎上し、本人いわく「モンスター扱い」される状態にありました。
当初は「誤解されて炎上してるって思ってた、別に何も悪いことしてないしな」と、自分の非を認めていなかったほどです。
世間の空気は完全に敵。
普通なら、そこに乗り込んで対談すること自体がリスクです。
その一番燃えているタイミングで、ヒカルはあえて溝口を自分の土俵に招きました。
ここからが話術の見せ場です。
技1 まず自分を同じ位置まで下げる
ヒカルは対談の冒頭、溝口をこう紹介します。
「今、日本で一番嫌われている溝口さん」。
一見きつい振りですが、直後にこう続けます。
「僕も日本で一番嫌われた男ではあるんですけど、バトンがそっちに行ったということで」。
ここが一つ目のポイントです。
相手を嫌われ者だと指摘しながら、同時に自分も同じ立場だったと並べる。
上から説教する構図ではなく、先輩と後輩のような横並びを作るのです。
責められる側の溝口からすれば、この一言で一気に肩の力が抜けます。
防御の姿勢を解かせる、入りの技術です。
技2 強がりを軽く崩して笑いに変える
溝口が「本当に嫌われているのか」と探りを入れると、ヒカルは深刻ぶらずに断定します。
「嫌われてますよ。モンスター扱いされているんで」。
本来ならピリつく指摘を、ヒカルは軽い調子でさらっと言い切ります。
ここで重要なのは、逃げ場を与えないのに、同時に笑える空気にしていることです。
深刻に詰めれば喧嘩になり、甘やかせば視聴者が白ける。
その中間、事実は突きつけるがトーンは軽い、という絶妙な力加減で場をコントロールしています。
溝口も否定できず、苦笑いで受け入れるしかありません。
技3 本音と弱さが出るまで待つ
横並びの空気を作り、強がりを崩したうえで、ヒカルは相手が自分から本音を出すのを待ちます。
すると溝口は、こう漏らし始めます。
番組が終わったあと周りから厳しく言われて、「あっ、俺こんなにヤバいやつだったんだ」と初めて自覚した、と。
関連する場面では涙を見せたり、後に「だいぶ傲慢だった」「情けない気持ち」と振り返るなど、モンスターの内側にいた等身大の人間が見えてきます。
ヒカルは問い詰めて吐かせたのではありません。
安全な空気を作って、相手が勝手に喋りたくなる状態にした。
この引き出し方こそが核心です。
なぜ視聴者は「かわいい」と思ったのか
整理すると、反転の流れはこうです。
最初に提示されるのは「日本一嫌われたモンスター」という強すぎる前フリ。
ところがヒカルの手つきで、その内側から強がりと弱さ、自覚のなさと反省が順番に出てくる。
人はギャップに弱い生き物です。
怖いと思っていた相手が実は不器用で憎めない、と分かった瞬間、評価は一気に反転します。
しかもヒカルは、視聴者が言いたいことを代わりにツッコんでくれる代弁者の役も担っています。
だから見ている側は溝口と敵対せず、ヒカル越しに眺める形になり、安心して溝口を許せる。
マイナスからスタートさせて上げる、いわゆるネガからポジへの振り幅の演出が完璧なのです。
まとめ これは狙ってやっている
ヒカルのすごさは、こうした一連の流れをおそらく意図してやっている点にあります。
炎上している人を招き、自分を同じ高さに置き、強がりを軽く崩し、本音を待ち、視聴者の代弁者になる。
結果として相手の好感度が上がり、対談自体も数字になる。
燃えている人ほどコンテンツになる、という逆張りを、話術一つで成立させています。
溝口を「かわいい」と思わせたのは、溝口が変わったからというより、ヒカルの見せ方が巧みだったから。
炎上を消すどころか、燃えたまま資産に変えてしまう。
この火の扱い方こそ、ヒカルが界隈で一目置かれる理由だと思います。
参考・出典
- スポニチアネックス「ヒカル、日本で一番嫌われている?人物との対談動画をアップ『モンスター扱いされている』」
- J-CASTニュース/スポニチ「溝口勇児氏、炎上上等でやってきたが『だいぶ傲慢だった』…41歳の現状に納得いかず『情けない気持ち』吐露」
- ヒカル公式YouTube「溝口勇児に呼び出されました。全部話します」ほか対談動画
人を一瞬で手なずけるあの話術も、結局はヒカルの思考設計から来ています。
なぜあの一言が出てくるのか。
その頭の中を丸ごと言語化したのがこちらです。


